お牛肉のトレーサビリティ、ご存知ですか。
https://www.id.nlbc.go.jp/top.html?pc
「牛肉の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法(通称: 牛肉トレーサビリティ法)」が施行され、流通~販売段階で実施されています。
牛肉トレーサビリティ法とは、牛の個体識別のための情報管理及び伝達に関する特別措置法で、国産牛肉に出生段階から10桁の個体識別番号をつけて、個々の牛の生まれてから食肉になるまで(酪農家から加工、流通業者、小売店、外食店などへ)番号を伝達することを義務づける法律です。すでに生産(酪農家)からと畜段階までは平成15年12月1日より実施されています。
独立行政法人家畜改良センターのホームページで、生年月日、性別、飼育地及び飼育者など8項目の基本情報を識別番号別に公開されており、パッケージなどに表示してある10桁の識別番号を打ち込めば、購入した牛肉の履歴を調べられることができます。
個体識別番号、がキモになります。分かりにくいですね、個体識別番号↓
目の前の牛肉が、どこの何という名前の牛で、いつ牛から肉になったか、など情報が調べられる仕組みです。
BSE発生を機に、全国的な仕組みとして導入されました。
BSE:牛海綿状脳症(いわゆる狂牛病)
牛が屠殺され、肉となり、流通して、調理料理され、目の前に肉料理として提供された時に、牛であった時の情報が確認できるわけです。販売されている牛肉には必ず付いている番号です。
美味しんぼというグルメ漫画の聖典で、BSE発生時から、輸入禁止の騒動、解禁、そして国内での反応を書いた回がありました。
美味しんぼ (94) (ビッグコミックス) 「牛肉の切実 後編」
ここで、すごい情報が出てきます。
海原雄山が主宰する「美食倶楽部」において使われる牛肉は三田のものだと。
国産の牛肉にもある問題、飼育の仕方が安全であるとわかっている飼育場の牛を選ぶ、と。漫画の世界の話ですし、三田のどこの誰は触れられていません。ということは三田全体を指して三田の管理システムが優れているという表現なのでしょう。
意外や、この回以外でも美味しんぼで登場する黒毛和牛の回数の中で、三田牛・三田肉は他の銘柄牛に比べて多いのですよ。
この回で海原雄山と山岡士郎が、国産牛の飼育方法や飼育場の状態などについて指摘してる点は、BSE発生以前から三田肉流通振興協議会が取り組んでいた事ともリンクします。
三田肉の話を少ししましょうか。
三田肉とは、但馬牛を指定農家が育て、三田食肉センターで肉となり、指定店(販売店・飲食店)で提供されるもの、と定義されています。
三田◯牛、三田◯◯牛、など紛らわしい名前の銘柄も存在しますが、三田牛・三田肉とは別物です。
三田牛が三田肉となり、指定を受けたお店でしか扱えないわけです。商標登録されています。
三田肉であること、は正しく表示することを厳しく定義されています。
http://www.sandaniku.com/guide/index.html
ここでも個体識別番号が活用されていますね。
その三田牛の中でも、更に高品質なもの。その基準はA4、B4等級、BMS(霜降り度合い)7以上の格付けされたもの、これはA4,B4等級、BMS6以上とする神戸ビーフよりも高品質と言えます。その三田牛・三田肉にのみ与えられる称号が「廻(カイ)」なのです。
↑プレミアムなブランドは、罰則規定・ペナルティの側面が強い厳格な仕組みが必要だ、という姿勢が見えます。
豚肉にもトレサビの仕組みがあるんですね。
http://www.butatrace.com/farm/pref/28/nojo
兵庫県での登録農場はまだ1箇所なんですね。
豚肉については、まだまだこれからなのでしょう。豚は豚で口蹄疫という伝染病で随分と痛い目にあっているのですが、仕組みが整わないのには何か理由があるのでしょうね。
トレーサビリティとしては「お米のトレサビ」もあります。
制度としても認知度低めですが、日本人の大事な主食であり、多岐にわたる用途の広さでは肉類よりも重要なのかもしれません。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/keikaku/kome_toresa/
こうして、流通の仕組みの中で見えなくなりつつある製造責任を明確化していってるのですね。
安心と安全には正直であってほしい。
産地や生産者が分かる、ということは消費者にとっては安心できますよね。
まぁ、でも最終的にはトレサビの確認にしても、お店(販売店でも飲食店でも)にどこまで信頼おけるか、ということになるんでしょうけどね。
お肉やお米、調理された状態で出自まで言い当てれる消費者はほとんどいないでしょう。
せいぜい、国産か輸入品か、新米か古米か、でしょう。(それでも難しい)
お客さんは当てものをしにお店に来て注文しているわけではないです。
お店を信頼し、楽しみにして、来店し、注文します。嘘をついてまで利益の幅をあげても、嘘がバレればお客を失うことになります。
食品偽装はいずれどこかで必ずバレます。大手であれ零細であれ信頼を一瞬で失うリスクを冒してまで不誠実な仕事をする必要はないと思います。
これまで数多の食品偽装、産地偽装が繰り返され世間を騒がせても、是正されないわけですがこのトレーサビリティ含めて消費者も信頼の置き方・調べ方・読み方を知っておくべきなんですよね。
コメント
[…] 黒毛和牛の本流である但馬牛。三田牛も但馬牛です。 トレサビの話はこちら。 https://sandanoumesan.com/archives/3482 そんな夢と魅力の詰まった但馬牛について、人と自然の博物館と但馬牛博物館 […]